最近映画を見てなかったなぁ・・・
ってなわけで、久々に映画を見てきました。
タイトルは「それでもボクはやってない」。
それでもボクはやってない周防正行監督の映画です。有名なところだと「Shall we ダンス?」の監督ですな。
今回の映画のテーマは「痴漢冤罪」。なんとShall we ダンスから10年ぶりの映画。
「痴漢冤罪」がテーマやけど、実態は今の日本の司法制度に対して疑問を投げかける映画。
3年間の間、裁判所や有識者達の意見を聞きながら作った映画らしい。
ネタバレない程度にストーリーを大まかに説明しとくと・・・
映画しょっぱなある男性が女子高生に駅のホームで袖をつかまれるんです。で、一言。
「痴漢したでしょ!」
・・・でも、男性はまったく身に覚えがないって訳だ。
そっからアレヨアレヨという間に気付けば留置所。
ほとんど話は聞いてもらえず、ひとまず留置所へって感じだ。
そこから男性と家族・仲間の無実を求める戦いが始まるんです。
痴漢をしたら、示談って方向でお金(示談金)を払って出ることが出来るみたいなのです。
朝留置所の夕方帰宅のサラリーマンは、大体痴漢。みたいなセリフが映画の中でもあったっけ。
ただ、無実を訴えた人はそこから留置所生活が始まるんです。
留置所と検察庁・警察の往復の毎日。それが半年とか続く。
検察庁や警察では当然、犯人扱いで取り調べは続く。男性の反論はほぼ無意味。
保釈金を払えば確かに留置所から出れるけど数百万のレベル。
正直、初期段階で嘘でもいいから罪を認めて、示談金を払った方がましだろって話だ。
で、ストーリでは、この後正式に検察庁から起訴される。
まぁ、裁判物の映画だから当たり前なんだけどねw
で、起訴されたら最後、99.9%は(痴漢に関しては?)有罪になるようなんです。
裁判って結構、無罪を求める例って少ないらしく、有罪だけどどの程度なのかを
判断する裁判が多いらしい。
映画の中のセリフでこんな感じのセリフがあった。
「裁判官が無罪の判決をした時に、誰が喜ぶ?そう、もちろん被告だ。
じゃ、誰が嫌な思いをする?そう、検察や警察だ。無罪ってのは要は、検察や警察を
完全否定することだからな。裁判官としても出世等を考えると無罪にはしづらいんだよ。
無罪にしたところで、喜ぶのはたった一人の個人だけ。」
自分が裁判官だとしたら、さぁどちらを選びやすい?・・・正直、有罪だ。
満員電車にのった事がある人はすべての人がこのリスクを背負っているのかと
考えると、普通に寒気がしたし、重たい映画だなと感じた。
が、しかし。
海外で放映したところ、爆笑になったとか。
周防正行監督「笑われて手応え」いわゆる、海外の人からするとありえない裁判ということでの爆笑らしい。
正直、裁判官制か、陪審員制か、どちらがいいかはよくわからん。
どちらにもメリット・デメリットがあると思う。
それでも、この映画を見て、
「自分なら、やってなくても罪を認めて示談金で最初に片付けてしまうだろう」
と感じてしまう今の司法制度はどこかおかしい。
かなりドキュメンタリーチックな映画に仕上がってて、結構考える映画でした。
元気がなくてテンション上げたいときにはお薦めしません!(^^;
実際、その辺のホラー映画よりも怖い映画だと思いましたw
相手は国家権力で、現実感もありすぎる。
もう、満員電車には乗れなくなりそうや・・・自転車万歳☆